2011年03月03日

スポーツビジョンB

スポーツビジョンAの続きです。



スポーツビジョンに必要な情報は目から入ってきます。

目は情報の入口ですので、鮮明な映像が入って来るのが必要不可欠です。

つまり綺麗な映像=良い正視視力ということです。


目から入った情報は、視覚中枢を経由し「動かす」という情報が手や足に伝わり色々な運動を行います。

この情報は脳内で正確に処理されても、手足の動きが視覚と共同運動しなければ俊敏な動作は出来ません。

視覚情報が瞬間的に伝達され、手足を正確に動かせる事が非常に大切であり、これが「俊敏性」となります。


では、視覚情報が脳内でどのように伝達されるのでしょう。

脳は非常にデリケートな臓器であり、精密な臓器でもあります。

この精密な臓器内を情報が瞬間的に伝達されます。


まず、

@目でボールを確認します。

A目からの情報は後頭部の「視覚野」へ行きます。

その後、

B「視覚野」から「側頭連合野」へ情報が行き、ボールだと認識します。

C「側頭連合野」から「頭頂連合野」へ情報が行き、ボールの位置を確認します。

D「頭頂連合野」から「運動連合野」へ情報が行き、ボールを取るという作業方法を構築します。

E「運動連合野」から「運動野」へ情報が行き、構築された方法で取るという動作を伝えます。

F「運動野」から「脊髄」へボールを取るという作業方法を伝えます。

G「脊髄」から「」に情報が行き、手でボールをつかむのです。



nou3.JPG


この@からGまでの手順を瞬間に情報処理し、手足へ伝達して手足を動かします。

いくら筋力が強くても、この伝達に要する時間が遅ければ俊敏な動きは不可能です。


一流選手は怪我をしない!

と言われていますが、一流選手ほどこの伝達経路が発達していますので、瞬間的に危険察知が出来、危険回避が可能なため怪我をしないと思われます。

いくら静止視力が良くても、この伝達に不具合が生じれば俊敏な動きが出来ません。


よって、スポーツビジョンに必要な要素の一つである、

目と手足の共同運動」は非常に大切な要素です。

目と手足の共同運動はトレーニングで強化が可能です。わーい(嬉しい顔)

このトレーニングは「ビジュアル・トレーニング」といいますが、日本においてはまだまだ受け入れられていない分野でもあります。もうやだ〜(悲しい顔)


最後に、スポーツビジョンはトレーニングによって強化が可能ですが、スポーツの種類によりトレーニング方法が少し違ってきます。

なのでトレーニング方法は記載しませんが、お金をかけず身近な物を利用する方法が良いでしょう。


最後まで読んでいただいた御礼として一つプレゼントします。

下記のページからダウンロードし、プリンターで印刷後、ご自身で組立てて下さい。

これは脳の錯覚を利用したものです。

正確には心理学の「逆遠近錯視」という錯覚です。


結構面白いですよ。ぴかぴか(新しい)

ダウンロード先
http://www.grand-illusions.com/images/articles/opticalillusions/dragon_illusion/dragon.pdf


You Tubeにあった動画です。



正確に組立てられれば動画のように動いて見えますが、動いて見えない場合は、

1 2〜3m離れて見てください。

2 片方の目を隠して見てください。

3 それでも見えない場合は折り方(頭部)を逆にして下さい。

注意:組立てて、後から見て下図のようになっていれば正確です。


04-12-22_21-52.jpg


両目で動いて見えなくても、片眼では動いて見えるはずです。

これは両眼視(両目で見る機能)が破綻したために起こる錯覚です。

なれてくると両目でも動いて見えます。わーい(嬉しい顔)

では挑戦して下さいexclamation×2

posted by ベルぱぱ at 10:40| Comment(0) | 視機能

2011年01月08日

スポーツビジョンA

スポーツビジョン@の続きです。


が、その前に昨日ご紹介した「目マスク」が早速売れました。手(チョキ)

実際に現在ご使用しておいるメガネに装着し、装用していただくと「ピッタリ顔にフィットしますね」とのこと。

花粉症がひどいため早めの対策をするそうです。

ご自分で付けたり外したり出来るため便利です。わーい(嬉しい顔)



では、話を元に戻して、

スポーツビジョンは静止視力以外に必要な機能は、

1・KVA動体視力(前方から自分の方へ向かってくる目標を見る能力)

2・DVA動体視力(横に動くものを見るための能力)

3・眼球運動(目標に正確に目を動かす能力)

4・深視力(奥行き感を認識する能力)

5・瞬間視(一瞬見た情報を正確に情報収集する能力)

6・調節能力(ピントを目標物に合わせる能力)

7・輻輳/開散(視線を内側や外側に向ける能力)

8・目と手の協応運動(目からの情報を手や足で正確に動かす能力)

9・周辺視野(視線を一点に集中させた時に周辺部を見る能力)

は最低必要な能力といえます。

上記の9項目に静止視力を入れて10項目となりますが、大きく分類しての10科目ですので、
本当はもっと細かく分類されるのです。たらーっ(汗)


スポーツやポジションによって必要な能力は違ってきます。

例えば野球野球において、投手と打者では必要な能力は違います。

投手は周辺視野や静止視力が大切になってきますが、打者は全ての項目において高度な能力が必要とされます。


筋力があるから全てのスポーツが万能という訳ではなく、筋力は無くても柔軟性が必要なスポーツの場合は筋力より柔軟性が重要視されます。

この場合は筋力はあまり必要とされません。

筋力静止視力とし、柔軟性1〜9の項目とします。

スポーツビジョンは10項目全てを検査し、苦手な機能はトレーニングにより機能をアップさせることが目的です。



当店でもこのスポーツビジョン・トレーニングを行っていますが、検査の時点でその選手のレベルが大体分かります。

競技レベルの優劣は視機能レベルにより大きく影響されている事は確かだと思います。


次回は目から入った情報が、どのように運動に影響するのかです。ぴかぴか(新しい)

posted by ベルぱぱ at 13:53| Comment(0) | 視機能

2011年01月05日

スポーツビジョン@

明けましておめでとうございます。わーい(嬉しい顔)

年末年始は雪大雪で大変な思いをした方も多かったみたいです。あせあせ(飛び散る汗)

今年最初のブログを何にしようか・・・

話題になるような事が無いので、私の得意な『両眼視機能』にします。手(チョキ)


では具体的に「スポーツビジョン」に決定exclamation×2


スポーツの見る機能で何が必要か?と質問すると、

目動体視力 と答える方は沢山います。



正解です。(拍手〜拍手〜!)



ただし、動体視力とは「動いている物を見る能力」のことで、スポーツビジョンに必要な機能の1つにしかすぎません。


スポーツ以外に日常生活をおこなう上で必要不可欠なことは「2つの眼が顔の正面にあること」です。


「当たり前!!!」と怒る方もいるかもしれませんが ← 起こらないでね。
非常に大切な事なのです。ぴかぴか(新しい)




例えば、

草食動物の目は顔(頭蓋骨)の側面に1眼づつ付いています。

理由は、主食とする草は鼻先にあり、顔との距離も短いため口を近づければ食べる事が出来ます。

しかし、肉食動物から自分自身を守るため左右の視野(見える範囲のこと)を広く得るために「目は顔の側面」にあるのです。



反対に、

肉食動物(人間も)は、顔(頭蓋骨)の正面に2眼ついています。

理由は、草食動物と違い肉食動物は狩をすることにより食べ物を得ています。

狩をするためには、獲物を発見し、獲物の動きを目で追い、獲物までの距離を把握して狩をおこないます。

その為には高度な視機能が必要となるため、「顔の正面に2眼ついている」のです。

2眼ある事が大切で、1眼になれば狩をするために必要な機能は極端に低下してしまい、獲物を獲ることが難しくなってしまいます。




スポーツ(特に球技)では「眼が顔の正面に2つあり、各眼が正常な視力を有しており、2眼が高度な共同運動を発揮している」ことが大切です。



多くの方がスポーツを楽しんでいますが、そのスポーツレベルが高度になればなるほど、目からの情報が大切となってきます。



親善草野球なら視機能云々は必要ありません。(ただ楽しめば良い!)



しかし小学生でも勝敗が大切な試合であればスポーツビジョンは必要となります。

なぜなら「勝利するために試合をする」からです。


多くの方が間違った認識をしている事があります。

それは、


「視力が良いからスポーツビジョンも良いはず」


ということです。



この視力とは「学校で測定した視力がAだった」という静止視力のことです。


静止視力は、一般的におこなわれる視力のことです。(多くの方が経験していると思います)




この静止視力もスポーツビジョンに必要な機能の一つですが、


良い静止視力 = 良いスポーツビジョン と判断する事は間違いなのですがく〜(落胆した顔)


では静止視力以外にどのような機能が必要なのでしょうか?

その機能は・・・


次回に続きます。眼鏡
posted by ベルぱぱ at 14:53| Comment(0) | 視機能